全国に約2,300社もある住吉神社の総本社(総本宮)※である大阪の住吉区にある『住吉大社』。
※総本社とは各神社に神霊を分け与えた(分霊と言う)根源にあたる神社のこと。全国各地にある住吉神社の源流であり、頂点の格なのが住吉大社です。
住よっさん(すみよっさん)の愛称で親しまれ、昔から地元の大阪人は住吉大社の初詣に行くのが1年の始まりの慣例行事となっています。
また最近ではたいへんご利益のある大阪の最強のパワースポットとしてスピリチュアル界隈でも有名になっており、住よっさんの神様のご利益にあやかりたい方が、国内外問わず参拝のためにたくさん訪れています。
メディアで取り上げられる機会も増え、今年に入ってからも木村拓哉さん、俳優の三田村邦彦さん、元宝塚星組トップスター紅ゆずるさんなどが訪問しています。
そんな住吉大社には海の神様(海から生まれた神様)が祀られていて、釣り人にも人気が高い神社。釣人守護、大漁祈願、航海安全を願ってお参りに訪れる釣り好きも大勢います。
そして釣り好きの参拝者の方がよく引いているが、住吉大社の『釣りみくじ』です。
今回の記事では住吉大社が釣りみくじがある場所・行き方・おみくじの引き方・初穂料(値段)について、実際に取材した現地の写真付きでわかりやすく解説します。
さらに住吉大社に釣人守護や航海安全を願って参拝に来る人が多い理由や、通常のおみくじと釣りみくじとの違いを比較してお伝えします。
住吉大社に釣人守護・大量祈願など海にまつわるお願いをする人が多い理由
どうして住吉大社には釣り人守護・大漁祈願・航海安全など、海にまつわるお願いをする人が多いの?
その理由は住吉大社の本殿に祀られている住吉三神(住吉大神とも言う)がどのようにして誕生したのか、その成り立ちを知ればわかります。
住吉三神の誕生のきっかけについては、日本書紀・古事記に詳しく書かれています。それをわかりやすくまとめたのが次の文章です。
国生み(神生み)の神のイザナギノミコトは、黄泉の国(死者の世界)に落ちた妻イザナミノミコトを救うため、単身で黄泉の国へと出向きます。
しかし妻を連れ戻すことに失敗。イザナギノミコト(以下、イザナギと表記)は命からがら黄泉の国から戻ってきました。
その時、イザナギは自身の身に黄泉の国の『穢れ(ケガレ)』を受けてしまったのです。
イザナギは穢れを清めるために、筑紫の日向(ひむか)の橘の小門(をど)の阿波岐原(あはきはら)の海に入り『禊祓い(みそぎはらい)』をします。
その際に海の中から誕生した神様が住吉三神の底筒男命(ソコツツノヲミコト)、中筒男命(ナカツツノヲミコト)、表筒男命(ウワツツノヲミコト)※です。
そのように海から誕生した神様が祀られている神社であるため、古くから大漁祈願・釣人守護・航海安全など、海にまつわるお願いをする方が住吉大社には多く訪れます。
※住吉三神の頭についている底・中・表の文字は、誕生した海の場所の深さを表しています。海の底付近から生まれたから底、海の中ほどあたりだから中、水面近くだから表のようにです。
ちなみに日本史の登場する遣唐使たちも、唐(当時の中国)へ旅立つ前に航海の安全を祈願して住吉大社へ参拝に訪れました。
遣唐使が初めて日本から唐へ派遣されたのが894年。今から1100年以上も昔です。そんな昔から海にまつわる祈願がされている思うと、感慨深いですよね。
住吉大社の釣りみくじの場所・行き方
住吉大社の『釣りみくじ』の場所・行き方についてこちらでは詳しく解説します。
スタートは住吉大社の玄関口である西大鳥居(第一の鳥居)です。南海電車は路面電車※で住吉大社へ訪れる時、真っ先に見えるあの石造りの鳥居です。
※なんば駅、梅田駅(大阪駅)など大阪の主要ターミナル駅から住吉大社への行き方は次の記事を参考にしてください。
鳥居をくぐる時は、神様に失礼の無いよう脱帽し、深くお辞儀をしましょう。鳥居をくぐったら、参道をまっすぐ進みます。
なお参道の中央(正中)は神様の通り道なので、空けておくのが神道での正しい作法です。そのため参拝の際には石畳の端を歩くようにしましょう。
参道をまっすぐ進むと、反橋(太鼓橋)が見えてきます。渡るだけでご利益があると言われているパワースポットなので、なるべく反橋は渡るようにしてください。
ただし反橋は最大傾斜が48度にもなる急こう配の橋なので、怖くて渡れない方は迂回しても大丈夫です。
反橋を渡り終えたら、左手にある手水舎に体と心を清めます。
現在はひしゃくは置いていないので、流れてくる水を手ですくって手と口をすすぎましょう。
清める時に洗う順番は左手→右手→口という順番です。詳しくは次の記事で紹介している正しい参拝作法を参考にしてください。
なお住吉大社は卯年卯月卯日に鎮座された、ウサギとたいへん縁のある神社。そのため手水舎の水の出るところも、石造りのウサギです。ぜひそちらもチェックしてみください。
手水舎で身と心を清めたら、石造りの階段を昇って角鳥居をくくり本殿へと入ります。
鳥居をくぐってすぐ目の前にあるのが第三本宮です。
その向かって右隣(南側)にあるのが第四本宮で、この向かい側に釣りみくじを引けるおみくじ授与所があります。
マップで言えば、下記地図の赤丸付近です。
第四本宮の目の前に撫でればご利益があると言われている『住吉神兎(すみよしうさぎ)』があり、その後ろが釣りみくじのあるおみくじ授与所がある位置関係です。
またおみくじ授与所には、釣りみくじや通常のおみくじの他に、恋みくじ、納涼みくじ(夏季限定)、侍者みくじ(おもとみくじ)などのおみくじも引くことができますよ。
釣りみくじがある場所には大漁旗が飾っているので、それを目印にすれば道に迷わないはずです。
住吉大社の釣りみくじの初穂料(料金)と引き方
釣りみくじの初穂料(料金)は500円。通常のおみくじが1回200円なので、それに比べると少しだけ高額です。
ただし釣りみくじはおみくじが鯛の人形(ストラップ付き)に入っており、みくじの吉凶を確認したあとはそれを部屋や釣り道具、あるいは船に飾ってお守りにするとことができます。
そう考えると、300円ぐらい初穂料が高いのは仕方ない気はします。個人的にはその価値は十分あると思います。
またおみくじの引き方についても、釣りみくじは一工夫がされています。
住吉大社の通常のおみくじは、みくじ筒(みくじづつ)からみくじ棒を引きその番号に書かれた棚からおみくじを取る方式。
一方で、釣りみくじは生け簀に見立てたボックスに入ったおみくじ入りの鯛の人形を、自分で釣るスタイルです。
釣り竿はおみくじボックスの横に用意されており、タイの人形に付いたわっかに引っかけて釣るので釣り経験がない方でも簡単に釣れますよ。
なお住吉大社のおみくじは自分で初穂料を入れて、自分で引くセルフサービス方式です。釣りみくじも引く際も、横においてあるジュラルミン製のケースの初穂料を入れてから引くようにしましょう。
もし小銭が無い場合には、境内の左手にあるお守り授与所で両替をしてくれますよ。
ちなみにおみくじの入った鯛の人形は赤・白・ピンク・水色・黒・金と様々な色が用意されており、自分の好みの色を選んで釣ることができます。
私はいかにもご利益がありそうな金色を釣りました。金色の鯛とか、ご利益がない方がおかしいでしょ笑
鯛の胴体の部分には住吉大社のシールも貼られていて、とてもめでたい感じがしますね。
ちなみにおみくじの吉凶は大吉の次に良い※中吉でした!!
住吉大社のおみくじは大吉、中吉、小吉、凶、大凶という並び順なので、上から2番目の吉凶ですね♪
釣りみくじと通常のおみくじとの比較
続いて、住吉大社の通常のおみくじと釣りみくじの違いについて解説します。
それぞれのおみくじを並べた画像がこちら(↓)
そして初穂料、引き方、助言の数などの各項目を比較した表が次の通りです。
種類 | 釣りみくじ | おみくじ |
初穂料 | 500円 | 200円 |
入れ物 | 鯛の置物 | なし |
和歌の掲載 | あり | あり |
引き方 | 釣り竿で釣る | みくじ棒 |
助言の数 | 4個 | 13個 |
釣りみくじと通常のおみくじの一番大きな違いは、みくじに掲載されている助言の数です。
住吉大社の通常のおみくじは、対人運、旅行運、仕事運、幸運のカギの4個。一方で釣りみくじは13個の神様からの助言が掲載されています。
たくさんのジャンルについて神様からアドバイスが欲しい方には、釣りみくじはうってつけと言えるでしょう。
釣りみくじの助言
願望(ねがいごと)、待人(まちびと)、失物(うせもの)、旅行(たびだち)、商売(あきない)、学問(がくもん)、相場(そうば)、争事(あらそい)、恋愛(れんあい)、転居(やうつり)、出産(おさん)、病気(やばい)、縁談(えんだん)
中には『相場』のような他のおみくじではあまり見かけないジャンルの助言もありました。
ちなみに私が引いた釣りみくじの相場の欄には『売るのは待て』という助言が…。
持っている株式の中には含み損を抱えているものもありますが、住吉大社の神様のお言葉を信じて売らずにしばらく持ち続けようと思います!
釣りみくじは住吉大社境内に結んだ方がご利益がある?
釣りみくじのおみくじは境内に結んだ方がご利益があるの?
引いたおみくじを境内の木や御籤掛け(みくじかけ)に結んだ方がご利益があるとおっしゃる方をよく見かけますが、それはあくまでもウワサ・都市伝説の類のお話です。
神道の作法・しきたりにおいて、おみくじをみくじ掛けに結ぶという教えはありません。結んだ方がご利益があるというのも正しくはありません。
ただし凶・大凶のおみくじを家に持ち帰りたくない、できれば神社に結んで帰りたいという気持ちもよくわかります。
ですのでお守りとして持ち歩りたり、家に飾ったりするのが嫌な場合は神社で結んで帰るのは一つの方法です。私も凶や大凶を引いたら、結んで帰ることがあります。
なお、その場合は境内の木ではなくみくじ掛けに結んでください。
木の枝に結ぶ行為はマナー違反ですし、下手すればバチの当たる可能性もあるので絶対にやめましょう。
まとめ
今回の記事では住吉大社の釣りみくじの場所・行き方・初穂料・引き方、さらには通常のおみくじとの違いについて解説しました。
釣りみくじはおみくじの吉凶の結果だけでなく、魚釣りのエンタメ要素も楽しめるおみくじ。お子さん、お孫さんに引かせて上げれば楽しくて喜ぶこと間違いありません。
またおみくじの吉凶や助言だけでなく、釣り上げた鯛の人形も縁起物としてお守りやお飾りに使えるので、二倍楽しめる一石二鳥のおみくじです。
ぜひご家族で住吉大社に参拝に行かれた際には、釣りみくじを楽しんでください。
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